Webライターとして、読者に伝わる文章を書けるようになることは「一生の課題」です。
伝わる文章を書くうえで欠かせないテクニックのひとつに、漢字を「ひらく・とじる」があります。
漢字を「ひらく・とじる」は決して難しいテクニックではなく、誰でもすぐ実践できるものです。
しかし、しっかり理解していないと、使えないテクニックでもあります。継続的にWebライティングのお仕事をもらうためにも、しっかり勉強しておきたいです。
そこで本記事では、漢字をひらくとは?といった基礎的なことから、漢字をひらくルールについて徹底解説します。最後まで読めば、漢字をひらく理由・ひらくルール・代表的な言葉のひらく一覧をマスターできます。
ぜひ最後まで読んで、伝わる文章を書けるWebライターを目指そう!
基本的な記事の書き方を知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
漢字をひらく・とじるとは?
漢字を「ひらく・とじる」とは、Webライティングをするうえで欠かせない業界専門用語です。
「ひらく」とは「漢字表現をひらがなにすること」をいいます。
「とじる」とは「ひらがなを漢字」にすることです。
なぜ漢字をひらくのかというと、文章がやわらかくなり、読みやすくなるからです。たとえば、「何時・予め・是非・宜しく・迄・度」などの難しい漢字が文中にあったら、どう感じるでしょうか。漢字が多用されていると、文章が読みにくいですよね。
難しかったり意味が複数あったりする漢字を「ひらく」ことで読みやすくなり、読者も作者の意図を理解しやすくなります。
漢字を「ひらく・とじる」は、Webライティングをするうえで欠かせないもの!
なぜ漢字をひらくのか?
ここでは、漢字をひらく理由について触れていきます。
漢字をひらく理由をしっかり理解して、伝わる文章を書けるようになりましょう。
1. 文章全体のバランスを整えるため
結論、漢字をひらく一番の理由は、文章のバランスを整えるためです。
文章に漢字を多用してしまうと、読者に難しい印象を与えてしまい、読む気がなくなってしまいますよね。
逆に、文章がひらがなばかりになってしまうと子どもっぽい印象をあたえてしまうのです。
上記の理由から、漢字とひらがなのバランスは、Webライティングをするうえで重要なものとなります。
また、理想的な文章の漢字とひらがなのバランスは、「漢字が3割に対してひらがな7割」です。漢字をひらくことで難しい印象を与えることなく文章のバランスを整えることができます。
2. 読みやすくするため
文章を読みやすくするのも漢字をひらく理由の1つです。
たとえば、「沢山」や「様々」は、漢字の文字ひとつとっても、さまざまな意味をもちます。その他にも、「一時」という漢字は、「いちじ」と「いっとき」とも読めますよね。
「一時」は、どちらも時間に関する文字です。しかし、「いちじ」は時計の時間を連想し、「いっとき」は短い時間を連想できます。
上記のような場合、漢字をひらかないと、文章にさまざまな意味ができてしまうのです。さまざまな意味を持たせてしまうと読者が混乱する原因となり、正しく意図を伝えられません。
漢字をひらくと、文章が読みやすくなるよ!
ひらく漢字を知って「表記ゆれ」をなくそう!
「表記ゆれ」とは、ひとつの文章のなかに同じ意味をもつ言葉が複数ある状態です。たとえば、「みる」という言葉は「見る・観る・視る」と書くことができます。
どの「みる」もだいたい意味は同じですが、ひとつの文章のなかに「みる」という意味をもつ漢字が複数あると、読者はつかれてしまうのです。
「表記ゆれ」が起きないように、表記する文字が漢字とひらがなのどちらで書くべきなのかといったルールをしっかり理解しましょう。
ひらく漢字の一覧|50選
漢字 | ひらがな |
---|---|
暫く | しばらく |
随分 | ずいぶん |
既に | すでに |
是非 | ぜひ |
大層 | たいそう |
大変 | たいへん |
例え | たとえ |
偶に | たまに |
時々 | ときどき |
何故 | なぜ |
一層 | いっそう |
極めて | きわめて |
更に | さらに |
敢えて | あえて |
後で | あとで |
あり得る | ありえる |
有る | ある |
合わせて | あわせて |
言う | いう |
幾つか | いくつか |
頂く | いただく |
今から | いまから |
未だに | いまだに |
所謂 | いわゆる |
お願い致します | お願いいたします |
及び | および |
構わない | かまわない |
こういう時 | こういうとき |
全て | すべて |
そう言う | そういう |
そんな風に | そんなふうに |
沢山 | たくさん |
丁度 | ちょうど |
出来ない | できない |
共に | ともに |
ひと通り | ひととおり |
勿論 | もちろん |
私達 | 私たち |
因みに | ちなみに |
丁度 | ちょうど |
一寸 | ちょっと |
遂に | ついに |
思い付く | 思いつく |
片付ける | かたづける |
都度 | つど |
中々 | なかなか |
就中 | なかんずく |
何卒 | 何とぞ・なにとぞ |
並び | ならび |
筈 | はず |
ほかにもルールはたくさんあるよ!
漢字をひらくルールを知っておこう!
漢字をひらくにあたって、いくつかのルールがあります。
「絶対にひらく漢字」と「その他ひらくと良い漢字」に分けて、漢字をひらくルールを簡単に解説しますので、参考にしてください。
絶対にひらく漢字
絶対にひらく漢字は以下の3つです。
- 「副詞」の漢字はひらく
- 「接続詞」の漢字はひらく
- 「形式名詞」の漢字はひらく
以下で詳しく解説します。
「副詞」の漢字はひらく
「副詞」にあたる漢字はひらきましょう。
副詞とは、動詞・形容詞・形容動詞を修飾する言葉です。たとえば、「きっと○○○だろう」の「きっと」と「だろう」が副詞にあたります。
【具体例】
✖️大層苦労した
◯たいそう苦労した
上記のように、副詞の漢字をひらくことで文章がまるくなり、読みやすくなります。
「接続詞」の漢字はひらく
「接続詞」の漢字もひらきましょう。
接続詞は、前後の文をつなぐ言葉です。たとえば、「それで」「しかし」「それから」が接続詞にあたります。
【具体例】
✖️但し
◯ただし
接続詞の漢字をひらくと、文章のテンポがよくなり、読みやすくなりますよね。
重厚な雰囲気にしたいときやニュースメディアなどでは、あえて漢字にする場合もあるので、クライアントに合わせて使い分けましょう。
「形式名詞」の漢字はひらく
「形容名詞」の漢字もひらきましょう。形式名詞とは、もともとの名詞の意味を失い、必ずほかの語修飾されて使われるもののことです。
【具体例】
◆漢字をひらかない場合
「ここにはコンビニがあった所だ。」の「所」=本来の意味である場所をあらわすため漢字はひらかない。
◆漢字をひらく場合
「話し合っているところだ」の「ところ」=話し合っている状態を表すため漢字をひらく。
上記のように、「ところ」が本来の意味である場所から、状態をあらわすことばに修飾される場合に、漢字をひらくというわけです。
そのほかにも、「その上で」は「そのうえで」と書くのが一般的ですが、「本の上」を「本のうえ」と書くことはありませんよね。形式名詞では、概念的な「うえ」をひらき、物理的な「うえ」はひらかないことを覚えておきましょう。
「補助動詞」の漢字はひらく
「補助動詞」の漢字はひらきましょう。
補助動詞とは、動詞をサポートするように使う言葉のことです。
たとえば、「強く風が吹いている」の「いる」や、「迎えに来てください」の「ください」が補助動詞にあたります。
【具体例】
・良くして頂く→良くしていただく
・もう一個→もういっこ
補助動詞はあまり馴染みがない言葉ですが、基本的にひらく言葉のため、しっかり覚えましょう。
その他ひらくと良い漢字
上記でご紹介した以外のひらくと良い漢字を紹介します。
- 「複合動詞」の後ろ側の漢字はひらく
- 常用漢字表にない漢字はひらく
- 読み方が複数ある漢字はひらく
「複合動詞」の後ろ側の漢字はひらく
「複合動詞」の後ろ側の漢字はひらくと良いです。
複合動詞とは、複数の語が結合してできた動詞のことを指します。一般的には、複合動詞の後ろの漢字をひらきます。
【具体例】
走り続ける→「走り」と「続ける」の複合動詞→走りつづける
話し掛ける→「話し」と「掛ける」の複合動詞→話しかける
上記のように、複合動詞の場合、後ろに続く「続ける」の漢字はひらきましょう。
常用漢字表にない漢字はひらく
常用漢字表にない漢字はひらくと良いです。
常用漢字とは、一般的に社会生活において現代の国語を表すための漢字のことを指します。
日頃使っている漢字でもひらくのが一般的です。他にも常用漢字表にない漢字はたくさんあるので注意しましょう
常用漢字表は『常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)』からご覧ください。
読み方が複数ある漢字はひらく
読み方が複数ある漢字はひらきましょう。
たとえば、「辛い」という漢字は、「つらい」とも「からい」と複数の読み方ができます。そのほかにも、「人気」は「にんき」「ひとけ」と読めます。
読者にストレスをあたえないよう、読み方が複数ある漢字はひらきましょう。
使い分けに迷う漢字はひらく
使い分けに迷った漢字は、ひらきましょう。
日常的に使っている漢字ほど、その漢字を「ひらく」か「閉じる」か、使い分けに迷いますよね。
また、記者ハンドブックなどを利用すると、迷わずに使い分けできます。
効率的にひらく・とじる漢字をチェックする方法
効率的にひらく・とじる漢字をチェックするには、文章校正ツールを活用するのがおすすめ!
たとえば、「文賢」という文章校正ツールが人気です。漢字ルールチェックや文章校正が簡単にできます。
出典:文賢公式HP
【文賢のメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
正しい日本語が学べる | 毎月お金がかかる |
簡単に操作・検索ができる | 校正が完璧ではない |
ことばの表現が多彩になる | 正しい文章も指摘される時がある |
文賢は、文章をフォームに貼り付けるだけで「ひらく」漢字を自動でチェックできるため、非常に便利です。表記ゆれも自動で検出できるので記事を書く際にかなり重宝します。
デメリットは、有料であること・表記ルールが20個までしか登録できないことです。ただし、自分でチェックする手間が省けるので重宝するでしょう。
とても優秀なツールのため、ぜひ使ってみてください。
まとめ
漢字を「ひらく」「とじる」は読者に伝わる文章を書くために欠かせないものです。ルールを守って記事を書けば、読者に伝わる文章を必ず書けます。
また、ツールや本を利用することで、誰でも簡単にルールそって書けるため、ぜひ利用してみてください。