まるり先生の子どもも1歳半になり、「イヤイヤ」が始まってきました。さてはて、保育士としては関わってきたけれど、母として初めて迎えるイヤイヤ期。乗り越えていけるのか……!
ということで、今回は、イヤイヤ期の子どもとの関わり方や避けるべき対応についてまとめてみました。みなさんのイヤイヤ期ライフが少しでも前向きなものになるよう、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
イヤイヤ期ってどんな時期?

イヤイヤ期は、1歳半から3歳頃にかけて訪れる「第一次反抗期」のこと。イヤイヤ期の子どもは自己主張が強くなり、親の指示に「イヤ!」と反抗することが増えてきます。特に2歳ごろは「魔の2歳児」とも呼ばれ、親が手を焼くことが多い時期……。
今まで順調だった食事が急に偏食になったり、着る服や使う道具にこだわりが生まれたりと、「なんでこんなに?」と思う場面が増えます。ですが、イヤイヤ期は子どもの成長の証!
自分で決めたい、やってみたいという気持ちを表現する大切なプロセスです。
どうしてイヤっていうの?
イヤイヤ期の「イヤ!」には、実はさまざまな理由があります。伝えたいことがあるのに、まだ言葉で思い通りに表現できないストレスであることも多いです。
また、親に指示されることに抵抗を感じて、「自分で決めたい!」という強い欲求が生まれるのもこの時期の特徴と言われています。
さらに、環境の変化・疲れ・空腹・不安など、ささいなことがイヤイヤを引き起こすこともあります。「イヤ!」と言われたときは、「何がイヤなのか?」を冷静に観察し、子どもの気持ちをくみ取ってあげることが大切です。
イヤイヤ期の関わり方 – 具体的な5つのコツ
イヤイヤ期の関わり方の具体的な5つのコツをご紹介します。
- 選択肢を与えるー「イヤ!」を「こっちにする!」に変える
- 共感するー「わかるよ~!」の一言でイヤイヤが落ち着く
- 気をそらすー「あれ?見て見て!」でイヤイヤをスルッと回避!
- ルールをシンプルにー「しなさい!」じゃなくて「〇〇する時間だよ」に
- できたことをほめるー「すごいね」より「助かったよ」が効果的!
以下で詳しく解説します。
① 選択肢を与えるー「イヤ!」を「こっちにする!」に変える
イヤイヤ期の子どもは、とにかく「イヤ!」が口ぐせ。でもね、実は「イヤ!」の奥には 「自分で決めたい!」 っていう気持ちが隠れてるんです。だから、「これをやる!」と決めさせると、案外すんなり動いてくれることも。
こんなふうに言ってみる!
- 「靴下履こうね!」→「赤と青、どっちにする?」
- 「お風呂入るよ!」→「おもちゃ持ってく?持たない?」
- 「ご飯ちゃんと食べて!」→「ブロッコリーとニンジン、どっちから食べる?」
選択肢を2つにすると、子どもは「イヤ!」じゃなくて「こっち!」と言いやすくなります。3つ以上あると迷っちゃって、結局「やっぱりイヤ!」になるので要注意!
② 共感するー「わかるよ~!」の一言でイヤイヤが落ち着く
子どもは、「自分の気持ちをわかってほしい!」と思ってます。でも、まだ言葉がうまく出てこなくて、 「イヤ!」で表現してるだけ。 そんなとき、大人が気持ちを代弁してあげると、「わかってくれた~!」って安心するんです。
こんなふうに言ってみる!
- 「もう行くよ!」→「もっと遊びたいよね。でも、明日も来ようね!」
- 「おもちゃ片付けて!」→「まだ遊びたいよね。でも、ご飯の時間だから、おもちゃも休憩しよう!」
- 「靴履いて!」→「裸足が気持ちいいよね。でも、お外は石が痛いかもよ?」
「イヤ!」って言われたら、「そうだよね~」ってまずは共感。それだけで、びっくりするくらい落ち着くこともありますよ。
③ 気をそらすー「あれ?見て見て!」でイヤイヤをスルッと回避!
イヤイヤスイッチが入ったら、「いやだ~~~!!」モードにどっぷり つかっちゃう子どもたち。でも、興味の矛先が変われば、あっさり気分が切り替わることも。そんなときは、違う話題にサクッとチェンジ!
こんなふうに言ってみる!
- 「おむつ替えるよ!」→「このおむつ、くまさんがいるよ!一緒に見てみる?」
- 「歯磨きしよう!」→「鏡でア~ってしてみて!誰が一番お口大きいかな?」
- 「もう帰るよ!」→「帰ったらおやつ何にしようか~?」
「いやだ!」の応酬になる前に、 ワクワクする話題をポンッと投げるのがコツ。「イヤ!」の世界から抜け出しやすくなりますよ。
④ ルールをシンプルにー「しなさい!」じゃなくて「〇〇する時間だよ」に
イヤイヤ期の子どもに、「ちゃんとしなさい!」「ダメ!」って言っても通じません(むしろ反発)。シンプルに、「何をすればいいのか」 を短く伝えた方が動きやすいんです。
こんなふうに言ってみる!
- 「手を洗いなさい!」→「ご飯の前は手を洗うよ!」
- 「片付けなさい!」→「おもちゃ、箱に戻そうね!」
- 「お店で走らないで!」→「お店では歩こうね!」
「〇〇しなさい!」じゃなくて、 「〇〇する時間だよ」「〇〇しようね」 のほうが、素直に受け入れやすくなりますよ!
⑤ できたことをほめるー「すごいね」より「助かったよ」が効果的!
子どもは、親に認めてもらうのが大好き!でも、「えらいね!」だけだと 「ふ~ん」 って感じになりがち。実は、「ありがとう!」や「助かった!」のほうが、 「ママの役に立てた!」って嬉しくなる んです。
こんなふうに言ってみる!
- 「やっと食べたね」→「お野菜食べてくれて助かったよ!」
- 「ちゃんと片付けなさい!」→「お片付けしてくれてママすっごく嬉しい!」
- 「歯磨きしないと虫歯になるよ!」→「ピカピカのお口、かっこいいね!」
「すごい!」より 「ありがとう!」「助かった!」 のほうが、子どもは次も頑張ろうって思いやすいんです。
年齢別イヤイヤ期の特徴と対応
イヤイヤ期とひとことで言っても、年齢によって「イヤ!」の理由も関わり方も変わります。「何でこんなに大変なの!?」と思うことも、実は成長の証。
以下では、年齢ごとの特徴と関わり方のコツをまとめました!
年齢 | イヤイヤの特徴 | 関わり方のコツ |
---|
1歳半~2歳 | 何でも自分でやりたがる。 でも、うまくできないと大泣き。 | 「やる?ママと一緒にやる?」と選択肢を与える。難しいことは「できたね!」と一緒に成功体験を作る。 |
2歳~2歳半 | 「イヤ!」の頻度爆増!こだわりが強くなり、気に入らないとパニックに。 | 「イヤなんだね~」と共感しつつ、気をそらしたり選択肢を提示。こだわりは「OK」と受け入れつつ、安全面はしっかりルールを伝える。 |
2歳半~3歳 | 言葉が増えてきて、「なんで?」「どうして?」が口ぐせ。イヤイヤも理由付きに進化! | しっかり説明すると納得しやすくなる。「○○だから、こうしようね」と理由を伝えるとスムーズ。話し合いができるようになってくる時期。 |
「イヤイヤ」は、子どもが「自分の世界」を持ち始めた証拠。でも、まだ気持ちをうまく整理できないから、イヤイヤが爆発! 大人の対応しだいで「成長のチャンス」にもなるんです。
やってはいけないNG対応– ついやりがちだけど逆効果

イヤイヤ期の子どもに向き合っていると、どうしてもイライラしてしまったり、「もういい加減にして!」と言いたくなることもありますよね。でも、大人の対応しだいで「イヤイヤ」がさらにヒートアップすることもあります。
ついやってしまいがちなNG対応と、その理由・代わりの対応方法を詳しく解説します。
×頭ごなしに怒る– 「聞いてもらえない!」でイヤイヤ倍増
こんな声かけ、していませんか?
- 「ダメ!いい加減にして!」
- 「何度言えばわかるの!」
- 「そんなことしてたら怒るよ!」
なぜダメなのか?
大人は「早くして!」という気持ちですが、子どもは「ママはわかってくれない!」と感じます。すると、余計にイヤイヤが激しくなり、泣いたり、かんしゃくを起こしたりすることも。
怒られることで「イヤイヤをやめる」のではなく、「もっとイヤ!」と抵抗を強めてしまうのです。
どう言い換える?
- 「○○したかったんだね。でも今は△△する時間だよ。」
- 「イヤな気持ちになったね。一緒に考えてみようか?」
- 「どうしたらできるかな?一緒にやってみようか。」
まずは子どもの気持ちを受け止めることが大切。共感の言葉を入れるだけで、イヤイヤが落ち着くことがありますよ。
×無理やりやらせる– 「やりたくない!」がますます強くなる
こんな声かけ、していませんか?
- 「いいから早くやって!」
- 「ママの言うこと聞きなさい!」
- 「やらないならもう知らない!」
なぜダメなのか?
イヤイヤ期の子どもは、「自分で決めたい!」という気持ちが強くなります。無理にやらせようとすると、かえって「絶対にやりたくない!」というこだわりが生まれてしまうこともあります。
どう言い換える?
- 「ママと一緒にやってみよう!」(一緒に行動する)
- 「○○と△△、どっちがいい?」(選択肢を与える)
- 「終わったら大好きな○○しよう!」(楽しい未来を見せる)
「やらせる」のではなく、子どもが動きやすい方法を考えるだけで、スムーズに進むことが増えます。
×無視する・放っておく– 「ママ、ぼくのことちゃんと見てる?」
こんな対応、していませんか?
- 「もう好きにしなさい!」
- 「どうせ言っても聞かないでしょ?」
- 「ママ、もう知らない!」
なぜダメなのか?
イヤイヤ期の子どもは、「ママ(パパ)は自分を見てくれているか?」を常に確認しています。無視されたり放っておかれたりすると、不安になり、もっとイヤイヤが強くなったり、見てもらうための問題行動につながることも。
どうすればいい?
- 「落ち着いたらお話ししようね」と伝える(距離を取るときの声かけ)
- 「○○がイヤだったんだね」と気持ちを言葉にする
- 抱っこや手をつなぐなど、スキンシップを取る
どうしてもしんどいときは、「ちょっとママ(パパ)、落ち着くね!」と伝えて、一度深呼吸するのもOK。ただし、「完全に放置する」のではなく、「落ち着いたらまた話そうね」と安心感を与えることが大切です。
×次々と指示を出す– 「何をすればいいの?」とパニックに
こんな声かけ、していませんか?
- 「靴履いて!おもちゃ片付けて!手も洗って!」
- 「早く準備して!時間ないよ!」
- 「全部やらないとダメだからね!」
なぜダメなのか?
大人にとっては「ただの指示」でも、子どもにとっては情報が多すぎて処理できません。イヤイヤ期の子どもは、1つずつ順番に伝えないと「何をやればいいのかわからない!」と混乱してしまいます。
どうすればいい?
- 「まずは靴履こう!」(1つずつ短く伝える)
- 「靴を履いたら、お外に探検に行けるね!」(楽しく誘う)
- 「長い針が6になったらお片付けしよう!」(時計やタイマーを使う)
- 月齢が小さい子どもほど「絵カード」を使うのも効果的
時間がないときほど、焦らず「1つずつ」伝えるだけで、子どもが動きやすくなります。
保育園で活用されていたのは「絵カード」

イヤイヤ期の子どもたちがいるクラスでは、保育園でも 「絵カード」 が活用されていました。まだ言葉でしっかり説明されても理解が追いつかない年齢だからこそ、「何をするのか」「次に何があるのか」 を視覚的に伝えることが大切なんです。
特に、発達の特性があるお子さんにとっては、 1日の流れを絵やマークで確認できる ことで、不安が軽減しやすくなります。
なぜ、絵カードが効果的なの?
・見通しが立つと安心する
→ イヤイヤが出やすい子どもは、先の予定がわからないと不安になることも。 「次はお片付け、そのあとおやつ」 と視覚的に示すことで、スムーズに動きやすくなります。
・ 言葉だけでは理解しにくい子にも伝わる
→ イヤイヤ期の子どもは「今やっていることに集中しすぎて、言葉が届きにくい」ことがあります。絵カードがあれば 「見るだけで何をするかわかる」 ので、声かけの負担が減ります。
・特性のある子どものサポートにも◎
→ 言葉の指示が難しいお子さんや、急な予定変更が苦手なお子さんも、 絵カードで「次に何があるか」を確認できると、パニックが減る ことがあります。
実際に保育園ではこんなふうに使われていました
- 朝の支度カード:「お着替え」「トイレ」「手洗い」「朝の会」など、1つずつ絵で示して見通しをつける
- クラスのスケジュールボード:その日の予定を並べて、子どもたちが自分で確認できるようにする
- 「やることカード」:準備が苦手な子も、 カードを1枚ずつめくるだけ で動きやすくなる
家でもこの方法を取り入れると、「ママに言われるからイヤ!」ではなく、「自分で見て、次の行動を決める」 ことができるようになります。
おうちでも使える!イヤイヤ期におすすめの絵カード
「靴履いて!手洗って!片付けて!」と一気に言うと、子どもが固まってしまうこともありますよね。でも 「やることカード」を使うだけで、準備がスムーズになることも!
「次は何するんだっけ?」と自分で確認しながら進めることで、 「ママに言われるからイヤ!」から、「自分で考えて行動する」に変わる きっかけになります。
▶︎ イヤイヤ期の子どもにおすすめの絵カードはこちら↓
まとめ – イヤイヤ期の「イヤ!」は成長の証✨
イヤイヤ期って、正直めちゃくちゃ大変💦 でも、子どもは 「ママ、パパにちゃんとわかってほしい!」「自分でやりたい!」 という気持ちを持ち始めたんですよね。
- 選択肢を与えると自分で決められる
- 共感してもらうと安心する
- 気をそらせばイヤイヤを回避できる
- ルールをシンプルにすれば行動しやすい
- ほめられるともっとやりたくなる
毎日「イヤ!」って言われるのはしんどいけど、 「そっか、この子も頑張ってるんだなぁ」 って思うと、ちょっとだけ気持ちがラクになりませんか?
「イヤイヤ期はママの試練!」じゃなくて、「ママも子どもも成長する期間」
イヤイヤ期をラクにする便利アイテムも活用してゆるっと乗り越えていきましょう~!